高千穂丸写真

   bulit in January, 1935

写真
海人社/日本の客船
和辻春樹著/野間恒編/船/NTT出版/1996


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一等ダイニングルーム
First Class Dinning Room
ともかくも、舷弧も梁矢も船と甲板とによって必要であり、妨げともなるものであるから、巧みに使い分けをすれば良いわけである。舷弧の大きいことが不必要な客船などに、相当なシャーのあることは不自然であるから必ず船の美観を失う所以になる。ノー・シャー、ノー・キャンバーすなわち水平甲板の私の船に乗って試みに散歩をしてみれば、前後左右に曲がりくねった甲板を歩く気持ちといかに異なるかをはっきりと感ずることができるであろう。(昭和十三年十月十五日稿)